車いすで京都観光楽しんで 携帯GPSと連動 <京都新聞 1月28日(金)13時59分配信>
京都観光を車いすで安全に楽しんでもらおうと、脊髄損傷者と京都府立医大の教授が、バリアフリー情報を集めたホームページ(HP)と携帯電話のGPS機能を連動させる仕組みを作っている。観光スポットに限らず、公共交通機関から観光地への道程も含め、段差などのバリアー情報も充実させる。 同大看護学科の西田直子教授らが脊髄損傷者に聞き取り調査し、「利用できるトイレの場所が分からない」「段差が怖い」などを理由に観光地への外出を避ける人が多いため、仕組み作りを始めた。 HPは、銀閣寺(京都市左京区)から東福寺(東山区)までの東山地域を8エリアに分け、歩道の広さや段差や障害物、車いすで利用できるトイレや飲食店の場所など約740カ所の情報を写真付きで紹介する。利用者は、携帯電話のGPS機能を使って現在位置を把握し、行きたい観光地を指定すると、ルート上のバリアフリー情報を得られるという。 内容は、バリアフリー情報を載せたHP「ばりかん!京都」を制作している脊髄損傷者の山本英嗣さん(43)=亀岡市=らが昨秋調査した。その後、ほかの車いす利用者約30人が実際に使って観光し、使いやすさや改善点を検証している。 昨年末、介助者と市バスを利用して初めて清水寺(同)を訪れた頚椎(けいつい)損傷者の江田祐紀さん(25)は「もうすぐ10センチ以下の段差があるとか、五条坂は介助者がいても相当きつい勾配、と事前に分かった。段差が多い寺は敬遠しがちだが、情報があれば出かけてみようと思う人も多いのでは」と話した。 西田教授は「世界的な観光地京都を訪れたい車いすの人も多いはず。もっと温かいまちに改善されるきっかけになれば」という。HPは今春公開予定。 |
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