障害者団体、車いす視点で復興提案(2012年7月22日 読売新聞)
全国の障害者が8月、被災地を車いすなどで旅行し、道路や建物の段差などをなくすバリアフリーの必要性を訴える活動を岩手県沿岸部で行う。障害者の視点から、復興に向けた街づくりや防災計画を提案するのが狙いだ。 こうした活動は「TRY(トライ)」と呼ばれ、兵庫県の障害者団体などが1986年に行ったのが始まり。その後、全国に活動が広まり、街のバリアフリー化などを訴えてきた。 昨年3月の震災では多くの障害者が津波の犠牲になり、避難生活を余儀なくされたことから、障害者に配慮した防災や街づくりにつなげようと、岩手県の障害者団体などが同県での開催を呼びかけた。 8月19〜30日、津波で大きな被害を受けた宮古市田老地区から陸前高田市の「奇跡の一本松」までの約150キロを車いすや徒歩で移動する。1日の移動目標は10〜15キロで、避難所となった公民館などに宿泊し、道路や建物に車いすが通れない段差がないかなど課題を洗い出す。 参加者は身体や視覚、知的に障害がある人で、約30人(19日現在)が参加を希望している。実行委員会の川畑昌子事務局長(49)は「震災では避難所や仮設住宅がバリアフリーになっておらず、利用できない障害者もいた。そうした人々への配慮が必要だ」と話す。 参加者や介助ボランティアを募集中で、申し込みは原則25日まで。1日単位の参加も可能。問い合わせは実行委(019・636・0134)へ。 |
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