iPS細胞 脊髄損傷治療に効果か <NHK 9月27日 5時46分> 体のあらゆる組織や臓器になるとされるヒトのiPS細胞を脊髄損傷のマウスの治療に使ったところ、運動機能が改善し、実際に脊髄の修復が進んだとする研究成果を慶応大学のグループがまとめました。 慶応大学の岡野栄之教授と中村雅也講師らのグループは、脊髄が傷つく脊髄損傷で下半身が動かなくなったマウスの治療にヒトのiPS細胞が使えるか実験しました。けがをして9日目の31匹のマウスの脊髄にiPS細胞から作った神経の基になる細胞を移植した結果、いずれも運動機能が改善し、4週間後までにすべてのマウスが歩けるようになったということです。電子顕微鏡で観察したり、神経を刺激したりして調べたところ、移植した細胞から出来た神経細胞は脊髄の中枢神経に組み込まれ、情報をやり取りしていることが分かりました。一連の実験で、損傷した脊髄の修復が裏付けられたことから、研究グループでは、ヒトのiPS細胞の治療効果を証明でき、実用化に向けて一歩前進したとしています。岡野教授は「今回は、脊髄損傷になって間がないマウスでの研究だが、将来、脊髄損傷から時間がたった患者の治療に使えるようにしていきたい」と話しています。 |
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